宗教
ウクライナの宗教はキリスト教で、宗派はオーソドックス(正教)と呼ばれ、西方教会(ローマカトリック等)に対し東方正教会とも呼ばれます。
しかし、カトリックと、プロテスタントの教会も中西部に存在します。
ローマ帝国は紀元313年にローマ帝国の国教として公認しました。そして、紀元392年にテオドシウス一世は国教に定めました。そして、テオドシウス1世の長男次男に分割統治させるため、東西ローマ帝国が誕生しました。西ローマ帝国は紀元380年頃にに滅亡します。そのころから、今のローマ付近からカトリックが生まれます。ウクライナの前身であるキーフルーシ大公国はその後紀元900年頃に東ローマ帝国よりキリスト教を受け入れます。キリスト教は当初、カトリックもプロテスタントもオーソドックス(正教)も存在しなかったのですが、ローマ帝国が東西に分離し、西ローマ帝国が滅亡したことでカトリックが生まれ、その後プロテスタントが分離、差別化していきました。ウクライナは基本的にはカトリックよりも古いローマ帝国のキリスト教を今も引き継いでいる事になります。
八端十字架
ウクライナには、多くの歴史ある教会が身近に存在します。紀元900年頃、女帝オリガは東ローマ帝国より洗礼を受け、キリスト教は国教となっていきます。このころ、今のロシアの前身はウクライナの一部であったモスクワ公国ですが、まだその公国すら存在しない時代です。よって、ヨーロッパ最大民族であるスラブ民族(ポーランド(カトリック)、ベラルーシ、ウクライナ、バルカン諸国、ロシア等)においてオーソドックス(正教)の最古の地はウクライナということになります。
世界的に正教会というものが存在し、その組織は総主教庁、独立正教会、自治正教会からなりたっています。
総主教庁はコンスタンディヌーポリ総主教庁、アレクサンドリア総主教庁、アンティオキア総主教庁、エルサレム総主教庁です。
独立正教会は、ロシア正教会、ルーマニア正教会、セルビア正教会、グルジア正教会、ブルガリア正教会、キプロス正教会、ギリシャ正教会、ポーランド正教会、チェコスロバキア正教会、アルバニア正教会、アメリカ正教会です。
自治教会は、フィンランド正教会、シナイ山正教会、エストニア正教会、日本ハリスト正教会などです。
「正教」は、ギリシャ語"ορθοδοξία"(オルソドクシア)が起源で「正しい讃美」「正しい教え」を意味するものです。
日本では、イエス キリストを古代ギリシャ語読みのイイスス ハリストスと呼んでいます。
日本ハリスト正教会のウェブサイトに正教の詳しい説明があります。
★日本ハリスト正教会
日本のオーソドックスとの係わりあいは、19世紀後半ら始まります。
ロシアから聖ニコライが1861年に伝導のため函館にやってきます。
ニコライは日本語を学び、古事記、日本書紀などを読み、仏教さえも学び、日本人の考えを学びました。
その後、祈禱書、聖書の日本語翻訳を行います。それは、死の直後までも続きます。
詳しい内容は日本正教会のウェブサイトをご覧ください。
下記の写真をクリックするとウェブサイトにジャンプします。
日本正教会の首座主教座大聖堂
★書籍のご紹介 (オーソドックスとカトリック 及川 信 著)
オーソドックスとカトリックの違いを、歴史的観点からやさしく述べた下記の書籍があります。
著者は日本リスト正教会の及川神父です。
下記をクリックすると書籍の紹介にジャンプします。(Amazon.co.jp)
書籍 オーソドックスとカトリック